Monthly Photo   2010年


2010年1月       

室蘭230あ・250
道南バス
250
日野BJG−RU1ASAR/2009年式 ジェイ・バス セレガハイブリッド



 さる2009年から、景気対策と環境対策という名の下でエコカー減税・補助金政策が施行
されている。乗用車における適用が注目を集める一方で、実はバスを含む大型車にもこれが
適用されており、そのせいもあるのか道内でも新型車、とくに低公害車の増備が進んでいる。
道南バスのセレガハイブリッドは、同型車としては道内初導入。11月から札幌〜室蘭「白鳥号」
に投入されている。従来と異なる外装は、一瞬どこの事業者のバスであるか見紛うもの。
 環境保護のためには、こうしたハード面の充実の一方で運転方法や運転マナーの見直し、
そして何よりも移動手段を目的に応じて適切に選択することで、公共交通を良好に維持していく
ことが、これからの社会に生きる者に求められているのかもしれない。
 撮影:管理人 2009年11月 札幌市内にて
 


2010年2月       

室蘭22う・419
苫小牧日軽サービス

いすゞKC-LV280Q/1996年式 富士重工17型B(7B)改



 今回は珍しいボディスタイルのクルマを紹介したい。
富士7Bボディの側面第1窓が大型タイプになってる仕様である。このスタイルは
輸出仕様では多数存在したようだが、日本国内向けでは苫小牧日軽サービス
(現:日軽北海道)に数台導入された以外には知らない。HD車ならまだしも、
標準床車の側面窓を一部拡大したことでの眺望にはあまり変わりはないであろう。
しかし、シンプルな7Bのスタイルに大きなアクセントを与えていることは認められる。
いすゞV8エンジンLV車に架装されたこのクルマ、数年前に除籍されて現在は福井県で
働いているとのことである。

 撮影:管理人 2001年 新千歳空港にて
 


2010年3月       

札幌200か2625
千歳相互観光バス

日産ディーゼルKC-UA460KAM/1998年式 富士重工17型E(7E)ノンステップ



 ついにノンステップバスの移籍車が札幌圏にも登場することになった。
千歳相互観光バスが今回導入した乗合車は、ノンステップ3台とワンステップ1台。いずれも
同じ首都圏の事業者で使用されていた車両である。昨年10月に北海道へ渡り、今年に入って
1月から2月に掛けて順次竣工していく予定。同社における初の本格的な低床仕様車である
ばかりか、新塗装を纏った乗合車であることやLED式の行先表示も今回が初採用となった。
これら車両の導入により、唯一残った5Eボディ車の去就が気掛かりであるが、今のところ7E
ボディ車の方が先に代替となっており、年式の順番通りとは必ずしも言い切れないようである。

 画像提供:匿名希望様 2010年2月 千歳相互観光バス本社営業所にて
 


2010年4月       

札幌200か2658
ニセコバス

日野KC-RJ1JJCA/1997年式 日野車体 レインボーワンステップ



 ここ数年、北海道中央バスの乗合車に移籍車が増殖してきている一方で、ついにグループ
企業の乗合車にも、親会社以外の事業者からの移籍車が登場するようになった。
昨年、空知中央バスに神奈川県の事業者で使用されていた三菱エアロミディMKが導入された。
今年3月には画像のクルマがニセコバスに導入されている。このレインボーワンステップは、
千葉県内の事業者で使用されていたものである。これまで乗合車は親会社からの都市間高速車
などの移籍でまかなってきた同社であるが、燃費の節約とともに輸送状況の現状と照らし合わせると
中型車で十分であるという判断がされたのか、近年は移籍・新車ともに中型車の活躍が目立っている。

 撮影:管理人 2010年3月 ニセコバス本社営業所にて
 


2010年5月       

旭川200か・741
道北バス

三菱KC-MP717M/1997年式 三菱自バス製造 ニューエアロスター



 道北バスに2台が導入されたニューエアロスター。元は神奈川県の事業者で使用されていた
ワンロマ車である。その仕様を生かして長距離路線にて運用されている。
札幌圏をはじめとして今年も首都圏からの移籍車が多数来道しているが、いよいよMP系移籍
車はいわゆるニューエアロスターが主流になりつつあるようだ。

 撮影:管理人 2010年4月 道北バス本社営業所にて
 


2010年6月       

札幌200か2691
北海道中央バス

日野PKG-RU1ESAA/2010年式 ジェイ・バス セレガスーパーハイデッカ



 北海道中央バスに、定期観光バスの専用車としては初のスーパーハイデッカが新造され、
セレガとガーラの各1台がこの春導入された。昨年秋に導入されたエアロエースとガーラHD
と同様、赤色ボディで北海道の名所をイラストで入れたデザインを採用し、更にSHD車独自の
仕様として各所にゴールドを効かせた外装が目新しい。装備としてはエアロキングに搭載して
いる多言語ガイドシステムを搭載し、各国からの乗客にも名所案内が可能となっている。
 セレガは小樽コースに、ガーラは富良野コースで主に使用されることとなっており、後部の
イラストも各コースに相応しい内容のものが描かれている。

 撮影:管理人 2010年5月 札幌駅前にて
 


2010年7月       

札幌22か1563
ニセコバス

日野U-HU3KPAA/1992年式 日野車体 ブルーリボン



 1992年2月に導入されて以来、ニセコ・倶知安地区で一般乗合車として活躍を続けてきた
このクルマ。2002年9月からは、導入時からの赤白塗装をニセコバスの旧塗装である青白
塗装に変更して注目されたが、ついに10年6月で除籍となった。
奇しくもグループの北海道中央バスからは赤白塗装が消滅しようとしている今、地元に長く愛
されたカラーのバスが相次いで消えゆくことが惜しまれてならない。

 撮影:管理人 2008年6月 中央バス岩内ターミナルにて
 


2010年8月       

旭川200か・767
宗谷バス
NO.606
三菱ふそうBKG-MS96JP/2009年式 三菱ふそうバス製造 エアロエース



 宗谷バスの貸切新車?と言いたいところだが、塗装から推測の通り沖縄は琉球バス交通
からリースしたエアロエースである。
 2008年から同社は乗務員を夏季限定で沖縄から派遣していた。今年は、初めて貸切車
を5台リースし、ロゴを書き換えた姿で使用中。宗谷バス社番はフロントウインドーに掲示
されている。リース期間は9月末までで、日本の南端と北端のバス事業者同士で行われて
いるこうした交流は実に興味深い。

 撮影:管理人 2010年6月 新千歳空港にて
 


2010年9月       

札幌200か2796
北海道中央バス

UD PKG-AP35UM/2010年式 三菱ふそうバス製造 スペースランナーA・ワンステップ



 道内の大手事業者各社は、大型車メーカーの新排気ガス規制車への切り替えに先立って
今年度導入予定時期を前倒しして、乗合車の新車を導入した。
 北海道中央バスでは、8月に三菱ふそうとUDの一般乗合車と国内4メーカー各社の都市間
車が導入されている。これまでいすゞ/日野に比べて少数の導入であった三菱ふそうMP&UD
APも、今回の導入で台数が更に増えて存在感を増した。2796は大曲営業所に配属されている。
 撮影:管理人 2010年9月 地下鉄福住駅バスターミナルにて
 


2010年10月       

札幌22か1530
北海道中央バス

日産ディーゼルU-UA440NAN/1991年式 富士重工R17型E(7E)



 先月の表紙で既報の通り、北海道中央バスの新車がこの夏で出揃ったのとともに、随時
導入が続く移籍車の就役に伴って経年車の離脱が進んでいる。中でも急速に台数を減らしつ
つあった「赤白」といわれる旧塗装車は殆どが姿を消し、2010年9月現在で稼働するのは今回
の表紙の車両、白石営業所の1530が唯一となってしまった。
1991年に偏平タイヤ低床+ワイド中扉の試験導入車として、4メーカーから各1台が導入された
中、1530だけが「赤白」のままで活躍を続けてきた。残された活躍の時間は少ないであろうが
最後までその任務を無事勤め上げることを願ってやまない。
 撮影:管理人 2009年4月 新札幌駅バスターミナルにて
(追記:10年11月で運用から離脱し、12月には除籍される模様です。)
 


2010年11月       

函館200か・539
函館バス
3563
三菱ふそうBJG-MP37TK/2010年式 三菱ふそうバス製造 エアロスターノンステップ エコハイブリッド



 シリーズ式と呼ばれる、モーターメインの駆動系を持つハイブリッドバスがふそうエアロスター
エコハイブリッド。北海道でこのバスに乗れるのは、今のところ函館バスだけである。
 これまで2台が使用されてきた(うち1台は元・型式受審車)が、今年7月さらに2台が導入された。
1台は銀に赤帯の自社塗装、もう1台は画像のように地元住宅メーカーの広告車である。
 まるで電車が走るかのような音で滑り出していく姿に、10年ほど前まではモノコック車が多数
走っていたこの地に住んでいた頃を懐かしく思い出すひと時であった。
 撮影:管理人 2010年10月 函館駅バスターミナルにて
 


2010年12月       

札22あ・・66
永楽観光バス

三菱B805L/1971年式 呉羽自工



 本編の各車解説では順次掲載しているが、今年10月末をもって安全永楽交通
は貸切バス事業から撤退し、タクシー事業に集中することとなった。同社は1960
年代、道東の今はなき雄別炭鉱の系列企業、永楽観光バスとして事業を開始。
1985年に札幌の安全ハイヤーと合併して安全永楽交通となった。かつてを知る
人にとっては、今回掲載したシルバーを基調とする車体色の三菱車や日デ車の
印象が強いであろう。
 ここ数年、近隣国からの観光客需要に支えられてきた北海道観光は、最近の
国際情勢の悪化などにより急速にブレーキが掛かってきており、安全永楽交通
の他にも廃業や撤退を決めたバス事業者が今年は相次いだ。北海道のバス
業界は、更なる厳しい局面に立たされている。
 来たる2011年、明るい話題がひとつでも多い年であることを願ってやまない。

 撮影と画像提供:vanagon714様 国鉄札幌駅北口にて(本編より掲載)
 


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